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鋼製防護柵・ロックボルト等根入れ深さ測定(非破壊試験)のご提案
防護柵設置における出来形深さ確保対策

 平成22年3月より鋼製防護柵支柱の根入れ長確保のための出来型管理は、これまで義務付けられていたビデオ方式を改め、非破壊試験による出来型管理を基本とする通知が国土交通省から通達されました。
これにより全数検査の膨大なビデオ撮影時間と編集、検査の手間が大幅に改善できます。そして、平成24年6月には改定版が再通達となり、支柱全数の10%から20%への引き上げとなり新設の防護柵への根入れ深さ管理の強化と適正な出来形の確保が改めて重要視されております。 近年、予測不能な集中豪雨・台風の大型化・東日本大震災等の発生や不慮の交通事故など、自然の脅威や交通安全確保に対し、防護柵、道路情報提供施設等の支柱や橋脚等の埋設部の目視では確認出来ない部分の状態を把握することが重要課題であります。特に高度経済成長期の1960〜70年代に建設された道路や橋等の橋脚・道路情報提供施設等が老朽化し、支柱埋設部の腐食、アンカーや鉄筋の強度不足が懸念され、転倒や崩壊の恐れがあり、ガードレールに至っては手抜き工事による悲惨な事故を未然に防ぐ、確認検査手段として活用して安全安心を確保する事を第一の使命としたいと考えております。
 社会資本整備は新設時代から維持管理の時代へと大きく変化し、超長寿命化へと推移しております。
技術の向上・新規開発に力を注ぎ、普及に貢献することを大きな目標にし、結果的には社会インフラの品質検査、健全度評価などの効率化を図り社会に貢献することを目的とします。

防護柵設置工の施工における出来形確保対策について(国管技第65号) [PDF](平成24年6月21日付け)
非破壊試験による 鋼製防護柵の根入れ長測定要領(案) [PDF](平成24年6月発行)

 さて、今般平成28年8月には高速道路3社合同(東日本・中日本・西日本)にて防護柵施工管理要領が改定され、上記の国管技第65号に基づき、土中式鋼製防護柵の根入れ長の出来形確保管理する事が決定しました。

防護柵施工管理要領(新旧対比表) [PDF](平成28年8月発行)

1.根入れ深さ測定とは

測定の様子

モニター画面
根入れ深さ測定とは、測定装置(NST-2)を使って、ガードレール等防護柵支柱、道路標識の支柱、転落防止柵支柱、照明柱などの根入れ深さ(埋設部長さ)を支柱を引き抜かず超音波にて迅速かつ簡単に測定することです。

2. NST-2とは
NST-2 typeU(根入れ長測定専用機)は、日進工業株式会社が開発した測定装置です。超音波を用いて目に見えない埋設部分の根入れ深さを測定します。
旧NETIS登録。番号:KT-060039-V 設計比較対象技術認定                                ※NETIS=国土交通省の新技術提供システム


測定装置 NST-2 typeUの外観
・500KHzの表面波を高効率な超音波振動子の開発により高精度で塗装やメッキを剥がすことなく測定可能です。
・測定結果は瞬時にカラーLCDに表示され、内臓のSDメモリーカードに保存できます。(2GB)
・直射日光下でも明るく見易いタッチパネル方式の10.4インチカラーLCDを採用、また漢字を用いた測定メニューの採用で取扱いも容易です。
・超音波の発生・受信回路部とデータ収録部は専用内臓充電池で長時間作動する超低消費設計です。
・付属の報告書作成支援ソフトによりデータ整理解析や報告書作成が容易です。
・装置一式は強固なハードケースに収納されていますので持ち運びも容易です。

3. 測定対象と測定原理について
鋼管製パイプの長さを測定します。対象物:ガードレール支柱・防護柵支柱・道路標識柱・ロックボルトなどの根入れ深さを対象とします。

超音波センサから超音波(表面SH波)を送信。
支柱端面で反射した超音波をセンサで受信。
センサから支柱端面までの往復時間から距離を算出。
地上部長さ(H)を入力し、支柱全長を算出。
L=(VXT/2)−A
 センサ位置:A(m)
 根入れ深さ:L(m)
 発振〜受信時間:T(Sec)
 超音波伝搬速度:V(m/Sec)
全長=H+L
 地上部長さ:H(m)

測定によるながれ
国土交通省通達(国官技第65号)『非破壊試験による鋼製防護柵の根入れ長測定要領(案)』平成24年6月21日付けに準拠しております。
・音速のキャリブレーション(校正作業)を同種の支柱で1度行う。監督員と測定機器の性能確認試験を立会いのもと行う。
・測定頻度は種別ごとに全支柱総数の20%以上とする。
・測定データ解析〜報告書作成。(データ整理プログラムにて整理〜解析〜報告書作成)
・測定業務に携わる場合は弾性波診断技術協会認定『弾性波による防護柵根入れ深さ測定技術者』の有資格者が必要です。 弊社では現在、2名が認定登録済。
NST-2はNETISのV登録(有用な技術:設計比較対象技術認定)なので、工事成績評点が+1.6点加点されるメリットがあります。

                     NST-2 測定解析画面

測定実積
H24金沢管内道路維持工事  
  測定場所:国道8号線(金沢市内)  測定日:平成24年9月。



小松バイパス八幡舗装工事  
  測定場所:国道8号線(小松BP・小松市八幡町) 測定日:平成24年10月。



小松バイパス東山舗装その3工事 
  測定場所:国道8号線(小松BP・小松市東山町)測定日:平成24年10月。

機器性能試験の様子

根入れ測定 状況

平成24年度 管内交通安全施設等整備工事 
  
測定場所:国道8号線(金沢市利屋町)測定日:平成25年 3月。
  Gr-A1-4E 測定本数82本

根入れ測定 状況(下り線)

根入れ測定 状況(上り線)

平成24年度 能越道七尾舗装その4工事 
  
測定場所:能越道(七尾市大泊町)測定日:平成25年 3月。
  測定本数32本

キャリブレーションの様子

根入れ測定 状況(上り線)

平成26年度 能越道 姿・中田舗装工事 
  
測定場所:能越道(氷見市姿地先)測定日:平成27年 1月。
  測定本数55本

根入れ測定状況

測定波形画面

H27・28金沢管内道路維持工事  
  測定場所:国道8号線(西念高架下) 測定日:平成28年 2月。



R3・4能登管内防護柵設置工事  
  測定場所:能越道(七尾市大泊) 測定日:令和 4年11月。中央分離帯ワイヤーロープ柵末端部の鋼管基礎杭
H=2650。監督官立会いの元、規定の長さを確認。




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